ついのべで書いた超SSが見事に余裕で140文字を超えていて削らざるを得なかったため、削る前の文(大幅に加筆修正済み)をここに残しておこうと。
男ははじめ、その光景に絶句した。
――塊。それは、この谷に顕現したデーモンの障気にあてられ巨大化した蛞蝓の群れだった。
ぬらぬらと粘着質な光沢を発する、緩慢に蠢く塊。そんなものが、どういうわけか谷の岩壁からぶら下がっている。にわかには理解し難い光景だったが、ここは濃い霧に覆われたボーレタリアの、腐れ谷の深部。今更常識も何もない。
とはいえ、常人としては生理的嫌悪感を禁じ得ないその圧倒的威容に踵を返そうとした男だったが、ふと、あることに気づいた。
あるはずのないものを、そこに見出だした為だ。
不気味な塊を為す蛞蝓同士の僅かな隙間から、月明かりにも似た微弱な光が漏れていた。
弱々しく明滅を繰り返す光だったが、その青白い燐光は男の視線を釘付けにし、退きかけていた足をその場に縫い付けるには十分すぎるものだった。
『月光』
男ははじめ、その光景に絶句した。
――塊。それは、この谷に顕現したデーモンの障気にあてられ巨大化した蛞蝓の群れだった。
ぬらぬらと粘着質な光沢を発する、緩慢に蠢く塊。そんなものが、どういうわけか谷の岩壁からぶら下がっている。にわかには理解し難い光景だったが、ここは濃い霧に覆われたボーレタリアの、腐れ谷の深部。今更常識も何もない。
とはいえ、常人としては生理的嫌悪感を禁じ得ないその圧倒的威容に踵を返そうとした男だったが、ふと、あることに気づいた。
あるはずのないものを、そこに見出だした為だ。
不気味な塊を為す蛞蝓同士の僅かな隙間から、月明かりにも似た微弱な光が漏れていた。
弱々しく明滅を繰り返す光だったが、その青白い燐光は男の視線を釘付けにし、退きかけていた足をその場に縫い付けるには十分すぎるものだった。
『月光』
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